建設業界は、安定していることや高収入が期待できることから、毎年人気の業界です。
一般住宅やマンション、オフィスビル、商業施設などの建物、道路やトンネル、橋などの大規模な建造物、それらを含めて「街」そのものをつくりあげていく建設業界。
それは私たちの生活に無くてはならない仕事といえます。
建設業界の魅力は、
街の未来を描く仕事ができること
自分たちが作り上げた建物は、その後数十年、あるいは100年以上の長きに渡って残り続けます。
例えば近年建てられた新国立競技場は、修繕を繰り返しながら、数十年~100年以上に渡って残り続けます。
もちろん個人向けの家屋であっても、数十年は人が住み続けるでしょう。
孫子の代まで、自分が携わった成果が残る。
それこそが建設業界で働く最大の魅力と言っていいかも知れません。
こんな建物を建ててみたいなと思った方、建設業界について少し学んでみませんか?
50兆円を越える巨大市場の建設業界。
働いている人も多く、多種多様な専門職が1つの建物の完成に向けてそれぞれの役割を果たします。
待遇もよく、たとえば大手ゼネコンの社員であれば、年収が1,000万円を超えることも珍しくありません。
ひとくちに「建設業界」
といっても・・・
そもそも建設業界とは建物を作ることのみならず、土地や水路の工事を行う土木工事まで包括的に施工をする業界です。
似た言葉に「建築業界」がありますが、こちらは建築物の施工を行う企業のことで、土木工事は行いません。
「建築物」と言っても、高層ビルや商業施設、マンションなどの巨大建築物を扱う企業もあれば、
個人向けの一戸建て住宅やリフォーム、店舗の改装を得意としている企業など、これまたさまざま。
さらに、それらの「建築物」を造るために、何人もの「専門家」たちが連携しながら、複雑にそして密接に関わっていきます。
新築一戸建て住宅
「夢のマイホーム/いつかはマイホームを」と思われている方も多いと思います。
そういう意味ではとても身近な建築業と言えますね。
大きく、分譲住宅と注文住宅に分かれます。
分譲住宅を販売する業者には多くの種類があります。
積水ハウスやダイワハウスといった大手のハウスメーカーや、1つの販売地で複数棟の物件を手掛けるパワービルダーと呼ばれる企業、地域密着型の不動産会社による建売住宅も多いです。
建設業や不動産会社のフランチャイズとなっている会社など多種多様ですが、希望する地域で予算にあう価格帯、そして探しているタイミングで分譲されているものから選んでいくわけですから、これらの分類に固執すべきものではありません。
既に建てられてから販売される分譲住宅では、リビングをもう少し広くしたいとか、キッチンはこだわりたいなどの要望は出来ません。
自分の思い通りの間取りや設備、外観に仕上げるためには、注文住宅を選ぶことになります。
注文住宅は、設計を不動産会社やハウスメーカー、建築士に依頼し、建築は施工会社に依頼することになります。
もちろん、要望が多いとその分費用は掛かってしまいますが、逆に不要な部分を省くなどしてローコストにおさえる事もできます。
リフォーム・リノベーション住宅/店舗
お店を持ちたい、そんなときにお世話になるのがリノベーション業者さん。
中古の住宅をリノベーションして、新築そっくりさんに仕立て上げることも。
既存の建物に施工することで、住まいのデザインや性能を新築よりも向上させ、価値も高まります。
工務店やリフォーム専門業者など、リフォームやリノベーションを手掛ける業者も多種多様です。
よりデザイン性の高いリノベーションを望むなら、設計事務所や建築家にその設計を依頼する場合もあり、その場合は、会社は設計のみで、施工は施工業者が行います。
既に物件が決まっている場合は、どの会社を選んでも対応してくれますが、物件が決まっていない場合は、不動産会社、設計、施工会社、銀行等、多くの業者とそれぞれ相談していく必要が出てきます。
それらをひとつの窓口でトータルに解決できるワンストップリノベーション会社もあります。
どちらにしても、自ら納得のいくデザインを形にしてもらうため、窓口となるのはきちんと意思疎通が取れる業者である必要があります。
これは注文住宅にも言えることですが、コミュニケーションが上手く取れないと、希望と実際の施工との間にずれが生じてしまうこともあるので注意が必要です。
大型商業施設
構想段階から、立地調査/事業計画支援を行った後、基本設計・実施設計・発注・監理と、
建物の規模に見合った大きな仕事です。
その施設が活かされるところを実際に見ることができるのも業務の魅力ですね。
公共施設や大型マンションといった大規模な建築物は、それを手掛ける企業の規模も大きくなります。
たとえば、よく耳にする「ゼネコン」という言葉。ゼネコンとはゼネラルコントラクターの略称で、総合建設業者のことを指します。
マンションやビルをはじめ、テーマパークや競技場などの大型建築を建てる会社で、「設計」・「施工」「・研究」の3つを自社で行っており、さらに売り上げが数千億~数兆円もある会社のことをゼネコンと呼んでいます。
大きな会社に入って大きな仕事をしてみたいと思う人も多いでしょうね。
もちろん、ゼネコン以外でも大規模な建設工事を手掛けることの出来る建設会社はたくさんあります。
ただしそれらを手掛けるためには、一級建築士の資格が必須となります。
たとえば戸建住宅程度の規模であれば、木造、鉄筋コンクリート造、鉄骨造の設計は二級建築士でも行うことが出来ますが、それ以上の建造物の場合は一級建築士の資格が必要です。
一級建築士は、設計する建物に制限がありません。
古民家再生
古き良きを活かし、守り、住み継いでいくということ。
伝統建築構法を熟知した技術者が、時間をともに過ごしてきた梁や柱などを活かしつつ
「今」にあった住まいに変えていきます。
ひと口に古民家再生と言っても年代や地域によってその仕様はさまざまですが、共通して言えるのは、単なる「古い建物」の改修工事では無く、伝統建築の工法を生かしつつ現代建築の住みやすさを加えて心地よい空間を作り出します。
たとえば京都。京都の古民家といえば「町家(まちや)」です。
都市空間において、建物が集中することによる利便性ゆえに、犠牲になりかねない、息苦しさやプライバシーへのこだわり。
それを様々なアイデア(坪庭や面格子など)で解決してきた京町家。
その、歴史と情緒の豊かな良さが見直され、観光スポットとなるばかりでなく、自ら町家へ移り住む人も出てきました。
間口の狭さからは想像つかないような内部の開放的な空間、家の中ほどにある「坪庭」、「座敷」とそこから見る落ち着いた雰囲気の庭。
古くから受け継がれてきたそんな日本人の感性を、現代の技術力で後世に残していきたいものですね。
建築設計の中でも特にデザインすることを意匠設計と呼びます。それは建築設計の中でも「花形」と呼べるものかも知れません。しかし、意匠設計の役割は建物のデザインだけでは無いのです。
良いデザインとは?
たとえば京都の好きな建物は?と聞くと、八坂の塔だったり、金閣寺だったり、平等院だったりと、いろいろな名前が挙がります。
では、ヨーロッパの街並みのイメージは?と聞けば、さまざまな装飾が施された歴史ある建物や、屋根の形がカラフルでバリエーション豊か、濡れた石だたみが情緒的・・・などなど、これまた好印象な意見が返ってきます。
世界各国、名だたる建築物や素敵な景色はいくらでもあると思います。
では試しに、ヨーロッパの街に八坂の塔を建ててみたらどうでしょうか。
左の上の写真をクリックすると、合成写真に切り替わりますが、さすがにこれは何とも、ちぐはぐな感じがします。京都の八坂の塔は、ヨーロッパの街並みには合いません。
いくら個々のデザインが素晴らしくとも、組み合わせによってはお互いの良いところを活かすことが出来ません。当たり前のことを述べているようですが、実はこれが建築デザインの本質です。
昔、アメリカのオバマ大統領が「キューバとアメリカの関係をデザインすることが重要だ」と演説したことがあります。2つの事の結びつきをより良いものとする、という意味で述べられた言葉ですが、
こと建築に限ってのデザインはこの時の意味そのもので、個々の状態では無く、それぞれの「関係性」を示している言葉なのです。
建物をデザインする際、まず最初に重要となってくるのが、その建物を建てようとしてる「場所」です。
立地面積、陽のあたる方向や明るさ、周りにある建物や自然、そこからの眺め、交通量や人の流れ。
ありとあらゆる要素が、建物を設計するためのアイデアになります。
これを「フィールドワーク」と呼びます。
フィールドワークは、新築だけでなく、リフォームや店舗リノベーションなどでも重要です。
もちろん、顧客の要望を実現することも大切です。
間取りや導線、キッチンやトイレやバスルームの使いよさ、静かさ、涼しさ、暖かさ、窓から入る光の量、そして予算。考えなければならない事は山ほどあって、そしてそれらは現代建築の知識そのものです。
また、建物は工業製品とは違い、何十年もの長きに渡って使われていくものですから、時代や街やそこに住む家族の変化に、柔軟に対応して行けるものでなければなりません。
顧客の要望を満たしつつ、地球にやさしく、地震に強く、住む人を癒し、見る人を和ませ、ずっと暮らしていきたい街を創造していく。
そこをしっかりと見据えたデザインこそが、結果的に顧客を満足させる、良い建築デザインと言えるのではないでしょうか。
デザインはアートではない
私たちが日常、よく意識するデザインのひとつにファッション・デザインがあります。
ファッション・デザインといえば、デザイナーが描くファッション画をご覧になった方もおられるかと思います。
柔らかでカラフルな衣装を身にまとったいろいろなポージングの女性画を、事も無げにさらさらと描いている様子は、もはや画家のようです。
ファッションの専門校では必ずと言ってよいほどファッション画の勉強を行いますし、画をすらすらと描けることが、デザイナーとしての能力の高さのように感じられる方もおられるかも知れません。
現に、有名デザイナーのファッション画には、アートの域に達していると評価されるものもあります。
うっとり見ていられるような画には、デザインのセンスや才能のようなものを強く感じます。
建築デザインにおいても、この様なデッサン画が多用されています。
中にはまるで水彩画のように見えるものもあって、やはりこれもファッション画に通じる気がします。
しかし、建築デザインにおけるデッサンでは、画そのものに特に価値はありません。
建築デッサンの目的は、イメージを正確に表現することで、言わば「設計図」です。
画の上手下手が、最終的に出来上がる建築物の良し悪しに影響することはありません。
滑らかな線を引きたければ定規を使えば良いだけの話で、芸術的な要素はまったく不要。
単純に、トレーニングで身につけられる技術なのです。
建築デザインを学習するにあたって最も重要なものは「観察力」です。
たとえばリンゴ。
リンゴは誰が描いても「丸描いてちょん」です。それだけでリンゴに見えます。
そしてリンゴが簡単に描けるのは、誰もがリンゴの形というものをよく見知っているからです。
では、自宅のキッチンに付いている蛇口の画はどうでしょう。
すらすらと描ける人は、普段からキッチンに立っている女性の方かも知れません。
よく見知っているものの画は上手に描けます。
建物を知ること
学生たちに、最近見て印象に残った建物は?と尋ねると、いろいろな建物が挙がってきます。
それは誰もが知っている有名建造物だったり、クルマで買い物に出かけた巨大商業施設だったり、住宅展示場で見た輸入住宅だったり、近所にある古びた公民館だったり、いろいろです。
ではその建物のどの部分が印象的でしたか。
全体的なバランス、形の面白さ、大きくアーチ状に造られた窓、壁に施された装飾、屋根一面に葺かれた銅板、レンガ造りの風合い、周りをかこむ樹木の瑞々しさ、と、これまた色々挙がってきます
しかしそれは、問われて初めて注目する部分だったりもしますし、さらに掘り下げていくと、どんどんと新しい発見が出てくるかも知れません。
屋根についている三角の窓は何のためのものだろう、もし建てられているのが角地でなければどうデザインが変わるだろう、三階建てにしてもこのデザインは成り立つだろうか、などなど。
そのような目で建物を観察するようになると、自らの描くスケッチ画にも変化が生まれ、隣りの友人の描いた画に対しても具体的な感想を持ち、もし自分だったらどうするだろうか、といった具合に、思考はどんどん発展していく。
それこそが建築デザインのための第一歩です。
必要なのは、センスでは無く、興味。
才能では無く、経験です。
未来の建築士に望むのは、慣習を打ち破る姿勢を持つこと。
建築を考える上で、法律や技術力に捉われることは確かにあります。
しかし、新たな時代は、常識を覆すことから始まります。
一方、建築で大きな夢を叶えるためには資格も重要。
夢を描くアイデアと、知識・技術の基板を培うルーティンの学びを両立させ、学びの幅を狭めずに進んでください。
その力は将来、あらゆる場面で活かされます。
京都建築大学校校長 川北 英
建設業界には、たくさんの資格があります。何よりも「安全」を大切にしなければならない業界であるため、特に資格にはシビアになっているのかも知れません。
その様な業界だからこそ、たとえば学歴だけで出世が左右されてしまう様な企業とは異なり、実力が試される世界だとも言えます。
働くだけなら資格は必要ありません
建設業に携わる上で、資格を持っていなければ関われない仕事は、実はそう多くはありません。
建物の設計に関して言えば、「木造建築士」の資格保持者は300㎡以下の木造住宅が可能ですが、地域によっては資格を持っていない人でも100㎡以下の木造住宅の設計は可能です。
「二級建築士」の資格保持者は、木造以外では300㎡以下、木造2階建て以上であれば1000㎡まで、それ以上の木造住宅は平屋限定。
これが「一級建築士」であれば、全ての建物の設計が可能になります。
さらに、設計に携わる人全員が建築士資格を持っていなければならない、というわけでもありません。
もし誰か一人でも、「一級建築士」がいれば、その企業は全ての建物を請け負うことが出来ます。
これはインテリア設計の場合や、不動産取引を行う「宅地建物取引士」などでも同じです。
一人、いればいい。
なので業界には、資格を持たずに働いている人は大勢おられます。
しかし、言い換えれば「最低一人は資格を持った人が必要」です。
また、いくら必須では無いとは言え、資格を有しているという事は、その人が十分な知識を持っていることの証でもありますし、各々の顧客からも大きな信用を得ることができます。
企業からしても資格を取ってくれるのは大歓迎で、たとえばそれまで一般住宅を専門に扱ってきた会社の社員が一級建築士に合格すれば、その会社はたちまちマンション建設を請け負えるようになります。
突然、店舗リノベーションの仕事が舞い込んできても、インテリアプランナーの資格があれば、自信をもって提案することが出来ますし、
ビジネスビルの一角に「茶室」を造りたいなどというイレギュラーな要望にも、木造建築士の幅広い知識が役に立ちます。
極端な話、もしあらゆる資格を所有している社員がいれば、企業にとってそのメリットは図り知れません。
何かのときに何でもできる、言わばスーパーヒーロー。
高給を払っても手元に置きたいと思うのも頷けます。
であれば、頑張っていっぱい資格を取ろう!
それは誰しもが思うところなのですが、実はこれがなかなかの難関。
たとえば「二級建築士」を取るためには学力以外に「手描き製図」の試験に合格する必要があるのですが、
仕事ではコンピュータを使っていますから、練習は就業時間外に別途行わなければなりません。
同僚の、手描きの製図に長けた人が懇切丁寧に教えてくれるはずも無く、すべて独学。
もちろん「学科試験」の受験勉強も疎かにはできません。
覚えることは沢山あります。
しかし通常は日々の仕事が忙しくて、思う様に勉強の時間が取れない。
ましてや現場に出ていたりするとなおさらですし、休日にスクールに通う費用も馬鹿にならない。
働きながら資格を取るのは超たいへん。
だったら、時間に余裕のある学生のうちに資格を取ってしまえば良い、・・・そうですよね。
コトはそう簡単ではない?
就職に有利なように、学生のうちに何らかの資格を取っておくというのは、よくあることです。
4年制大学に進学した場合、その学校を卒業しさえすれば、まずは学士号を取ることができます。
その他に、就職に有利な資格として、英検を取っておこうという場合もあります。
同様に、TOEICを受けておこうという場合もあります。TOEICは合否ではなくスコアで表示されます。
TOEICスコアが527点と、英検2級はだいたい同じくらいです。
英語の勉強を頑張って高得点を取れば資格を得ることができます。
同じように、たとえばコンピュータ業界へ進みたいと思って情報処理技術者の資格を取っておく場合もあります。
こちらは英検やTOEICとは異なり「国家資格」ですが、受験資格などの制限は無く誰でも受験できます。
テキストを買って勉強し、過去問題をしっかりと研究しておく事が合格へつながります。
だいたいは、受験勉強と同じ要領です。
ところが、建築関係の資格については、これらとは様子が大きく異なってきます。
たとえば「二級建築士」資格。
こちらも国家資格ですが、この試験を受験するためには、
以下のいずれかの条件を満たしていなければなりません。
① 大学・短大・専門学校で建築に関する科目を修めて卒業した者
② 高等学校で建築に関する科目を修めて卒業した者
③ 設計や工事監理に必要な知識・能力を得られる実務経験が7年以上の者
① は「卒業」が条件になっていますし、③ は「就業」が条件なので、「学生の間に資格を取っておく」という目標には当てはまりません。
② の場合は、高校が工業系高校で、そこで建築系の科目を履修していた場合にのみ、この条件を満たすことが出来ます。
つまり高校進学時点で既に、これに当てはまるかどうがが決定しているのです。
ならば学生の間にしっかり受験勉強だけを行い、卒業後すぐに受験すれば良いかとも思いますが、そこでネックとなってくるのが「製図試験」です。
建築士資格を取得するには、「学科試験」と「製図試験」の両方に合格する必要があります。
試験は年に1回。「学科試験」は7月、「製図試験」は9月に行われます。
製図試験の課題は、試験日の約3か月前に公表されます。
「学科試験」は学生の間に知識を蓄えておきさえすれば合格の可能性が出てきますが、「製図試験」に合格するには、課題の発表からの3カ月間に、その特徴や傾向を把握した事前対策を十分に行っておかなければなりません。
それに加えて、時間内に要求された図面を書き上げるための技術的な慣れやコツも身につける必要があり、さらに「学科試験」の勉強も含めると、対策期間としての3カ月は短すぎるとも思えます。
働きながらの資格取得が難しいと言われる所以です。
また、製図試験の採点基準にはランクⅠ~ランクⅣの4段階があり、「ランクⅠ」のみが合格となるのですが、採点の詳細や不合格の理由は公開されません。
その為、独学の場合などは特に、何が不足しているかを把握しにくく、2回、3回と受験して合格する方も少なく無いのが実情となっています。
もし、既に受験資格を満たす条件を備えていて、試験勉強に使える時間がふんだんにあり、建築士として活躍してきた指導者がそばに付いてくれて、製図のための技術指導も十分に受けられる環境の中、同じ志を持った仲間と共に、万全の態勢で7月と9月の試験に臨むことが出来れば、一発合格の可能性もぐっと上昇するはずです。
KASD では、「建築士が建築士を育てる」ことを方針とし、第一線で活躍してきた建築士達を講師に迎え、他所では望めない最高の環境で、在学中の建築士資格取得を実現してきました。
また多くの学生は、「二級建築士資格」だけでは無く、「木造建築士」や「建築施工管理技士」、「測量士」、インテリア系の資格である「インテリアプランナー」や「インテリア設計士」、「福祉住環境コーディネーター」などなど、複数の資格をあわせて取得。
さらに今年は、建築系の最高資格ともいえる「一級建築士」に合格した学生も出現しています。
学生のうちに資格を取得するという事でそこまでの余裕が生まれ、そしてひとつの目標に向かって努力したその成功体験が、社会に出てからも自信を持って仕事に挑んでいく活力になっていると、数多くの企業からも評価されています。
勉強がんばってる?
父が建築の仕事をしていたので、昔から興味はあったものの、勉強が嫌いな上に数学も苦手。
普通科出身で建築の知識はほぼゼロの状態でした。
それでも、二級建築士の資格が最短で取れるという KASD に進学し、基礎からひとつひとつレベルを上げながらマイペースに学んでいきました。
マンツーマンで丁寧な指導をしてくれる先生や、同じ目標に向かって切磋琢磨する仲間の存在が大きかったと思います。
そしてついに勉強の苦手だったぼくが「二級建築士」の資格を取得!
続いて「木造建築士」にも合格!
嬉しい気持ちが素直に湧いてきて、頑張って良かったと心からそう思います。
KASD での学びはあと1年残っています。
これで満足してしまうことなく、新たに「一級建築士」という大きな目標に向かって、いっそうの努力を重ねていきたい。
そして将来、出来れば地元で建築事務所を開いて、父に負けないような仕事をしていきたいと思っています。
KASDには、毎年、たくさんの企業から学生数を遥かに上回る求人票が届きます。
学校側で把握している優良企業の数は約1800社。
学生たちは、さまざまな職種の中から、会社の規模や仕事内容、給与など、自分の希望に合った会社を選んで応募します。
2021年度の正社員就職率は99.6%でした。
建設業 売上ランキング
(2020年度実績)
建設業の売上ランキングを見てみると、上位にはよく知られた企業がずらりと並んでいます。
たとえば東京スカイツリーを建設した大林組、鹿島建設はユニバーサル・スタジオ・ジャパン。
三井建設、鹿島建設、清水建設、大成建設の4社が分担した東京ディズニーランドなどなど。
上位の5社だけで、たとえばパナソニックグループ(7兆円)やソニーグループ(9兆円)の売り上げを軽く超えてしまいます。
これだけを見ても、いかに建設業界の市場規模が大きいかが分かりますね。
ちなみに、
薄緑で色付けした企業 は、実際に KASD生が就職し、現在活躍している企業です。
|
社 名 |
本社 |
売 上 高 |
01 |
大和ハウス工業 |
大阪 |
4兆3802億円 |
02 |
積水ハウス |
大阪 |
2兆4151億円 |
03 |
大林組 |
東京 |
2兆730億円 |
04 |
鹿島建設 |
東京 |
2兆107億円 |
05 |
大成建設 |
東京 |
1兆7513億円 |
06 |
清水建設 |
東京 |
1兆6982億円 |
07 |
大東建託 |
東京 |
1兆5862億円 |
08 |
住友林業 |
東京 |
1兆1040億円 |
09 |
長谷工 コーポレーション |
東京 |
8460億円 |
10 |
関電工 |
東京 |
6161億円 |
11 |
きんでん |
大阪 |
5859億円 |
12 |
五洋建設 |
東京 |
5738億円 |
13 |
コムシスホールディングス |
東京 |
5608億円 |
14 |
協和エクシオ |
東京 |
5245億円 |
15 |
戸田建設 |
東京 |
5186億円 |
16 |
前田建設工業 |
東京 |
4878億円 |
17 |
日揮ホールディングス |
神奈川 |
4808億円 |
18 |
三井住友建設 |
東京 |
4724億円 |
19 |
ミライト・ホールディングス |
東京 |
4411億円 |
20 |
NIPPO |
東京 |
4290億円 |
|
社 名 |
本社 |
売 上 高 |
21 |
九電工 |
福岡 |
4289億円 |
22 |
西松建設 |
東京 |
3916億円 |
23 |
千代田化工建設 |
東京 |
3781億円 |
24 |
安藤・間 |
東京 |
3781億円 |
25 |
東建コーポレーション |
東京 |
3233億円 |
26 |
東急建設 |
東京 |
3221億円 |
27 |
高砂熱学工業 |
東京 |
3208億円 |
28 |
髙松 コンストラクション グループ |
大阪 |
2823億円 |
29 |
前田道路 |
東京 |
2378億円 |
30 |
奥村組 |
大阪 |
2263億円 |
31 |
大気社 |
東京 |
2253億円 |
32 |
トーエネック |
愛知 |
2248億円 |
33 |
東洋エンジニアリング |
千葉 |
2190億円 |
34 |
タマホーム |
東京 |
2092億円 |
35 |
三機工業 |
東京 |
2076億円 |
36 |
ユアテック |
宮城 |
2027億円 |
37 |
日本電設工業 |
東京 |
1982億円 |
38 |
鉄建建設 |
東京 |
1928億円 |
39 |
東亜建設工業 |
東京 |
1902億円 |
40 |
福田組 |
新潟 |
1857億円 |
学びを活かせる様々な企業
KASD が建築学校として産声をあげてから今年で早、31年。
そして、これまでに社会へと送り出した学生は約1万3000人。
毎年、進路指導室(キャリアサポートセンター)に届けられて来る多くの求人票は、
「KASDの卒業生なら」という、業界からの熱いコールの現れです。
学習の証となるたくさんの資格を持ち、入社後の定着率も高いことが、多くの企業からの信頼に繋がっています。
さらに、資格の勉強ばかりでは無く、3年次の後半から4年次に掛けて特定の研究室に所属してゼミを受講することで、建築デザインの重要性で述べたように建築知識以外の学びも、企業にとっての魅力となっています。
求人票には、ゼネコンやハウスメーカーなどの有名企業から地元の老舗企業まで、安心して学生に勧められる優良企業が並んでいます。
創業は、古いところでは1920年(創業100年)といった、長く続けられている企業も数多く、それは堅実に歴史を積み重ねてきた証です。
求められる職種も、設計職、施工管理、インテリアコーディネート、リフォームプランニング、技術開発、営業職など多岐にわたっており、
その初任給は20万円から22万円ほどで、一般大学卒の平均額とほぼ同じでした。
京都府で13年連続No.1を達成するハウスメーカー「エルハウジング」で働く社員さんに、実際に仕事をしていくに当たって、具体的な仕事内容、やりがいや苦労、仕事に必要なスキルなどなど、じっくりお話を聞いてみました。
建物の設計はもとより、
土地探しや資金計画の提案まで!
KASDでは、定期的に、企業から「会社説明会」を開いて頂いています。
今回、来校頂いたエルハウジング様で募集されるメインの職種は以下の3つ。
アフターサービス部 ライフサポート営業
住宅をご購入頂いたお客様のご自宅へ定期訪問してアフターケアを行うと共に、お困りごとやリフォームの相談などにも対応して行きます。
お客様と直接接してお話をお伺いするので、円滑なコミュニケーションを取れることが大切になってきます。
設計部 設計課
主に、CADソフトを使用して分譲住宅の図面を作成していきますが、現場の方が少しでも戸惑わないように、建具などの細かい部分の図面なども別に作成します。
住宅のデザインや分譲地全体を通しての「街づくり」といった企画にも加わります。
工務部 工務課
建設現場の着工から竣工まで、工事の計画を立て、資材の発注から、都度の工程が正しく進んでいるか、図面自体にミスが無いかなど精密な検査を行いながら、工事完了まで責任をもって管理します。
現在、少子化やコロナ渦の影響で、戸建て住宅の需要は減少傾向にあります。
エルハウジングでは、たとえば、分譲地まるごとを「ひとつの街を創る」というイメージでデザインすることでより魅力的な物件を造り上げたり(オランダっぽい街並みとか)、
また、これまで京都をメインに展開してきたエリアを大阪や滋賀にも拡大していく、
さらに、一戸建てだけではなくマンション建設や賃貸物件の運営、福祉サービス事業などにも積極的に取り組んで、売り上げを伸ばしています。
社員が安心して働けるよう、福利厚生にも力を入れるのはもちろん、
若い社員の意見がちゃんと反映されるような風通しの良い社風や、希望があれば部署の移動なども聞いてもらえます。
社内ポイント制度を設けて社員同士の繋がりも重視しています。
社内ポイント制度とは何ですか?
たとえば部署が違う誰かに用事を頼みたいとかありますよね。そんな時に、頼んだ方にちょっとしたポイントをあげることが出来るんです。もらったポイントはお給料に反映されたり、多い方は表彰されたりします。
KASD では資格の取得に重点を置いていますが、御社で働く上で資格はどのようなメリットがありますか?
仕事の幅が広がるのはもちろんですが、給与面でも、たとえば二級建築士であれば月額2万円の資格手当が出ます。一級は月額5万円です。
会社に入ってから資格を取得した場合は、二級ならば10万円、一級は30万円の祝い金も支給されます。
KASD で4年間学ぶと「高度専門士」という資格を得ることが出来ますが、その場合は大卒と同等の扱いとなりますか?
はい、初任給も大卒と同じです。KASDからはこれまで何人も来て頂いていますが、放送大学も併せて受講されておられる方も多く、もちろんその場合も大卒となります。
KASD生と通常の4年制大学出身者と比べると、どこか違いはありますか?
建築について深く勉強されていて、何より言葉がちゃんと分かっているので、設計部や現場の人とのコミュニケーションもスムーズです。
最後に、大変だったことや、遣り甲斐を感じたことなど教えてください。
ミスが怖いですね。
ミスは必ず起こるものとは分かっていても、やっぱり怖いです。
色んな人がフォローしてくれて大事には至りませんでしたが、それでももう二度と繰り返すまいと心底そう思います。
遣り甲斐は、やはり自分の携わった建物が実際に形になることです。
入社3年目で初めてメインで設計した建物が丁度今、着工したばかりなのですが、完成が待ち遠しいです。
あと、お客様を対象にしたイベントなども開催していて、
ハロウィーンのイベントではぬいぐるみに入って子どもたちにお菓子を配りました!(笑)